私ね、実は......
第14章 お泊まり会 9 海でのデート
さて・・・。
2人だけ取り残されてしまった。
アユと、正樹はもう海に入っているころだろう。
俺は、美香と一緒に木陰で話をしている。そもそも、美香はあまり海に行きたがっていなかったし。
「私・・・海に入ろうかな」
「え、大丈夫なのか?!海は入りたくないって」
相変わらず、厚いパーカーを羽織っていて全く脱ぐ気配のない美香。
「パーカー着たまま入ろうかなって。せっかく、海に来たんだもん。一緒に海を楽しみたいもん」
ニコッと微笑む美香の顔を見つめるたび、俺の胸の鼓動はドンドン早くなるのだった。
「じ、じゃ、行くか」
「うん」
海に足を入れる。
海水が冷たくて、熱い砂浜をさっきまで居た俺たちには有難い。