私ね、実は......
第5章 夏休み
「あー楽しかった!!」
閉会直前まで遊び続けた俺たちはアパートに向かうバスの中でそんな会話をしていた。
「私は・・・疲れた・・・」
さっきまでの、あの元気は何処えやら。美夏は、ぐったりと疲れていた。
「そんなに、疲れたか?」
「あったりまえでしょ?!春が観覧車の中でキスするから!!!」
お互い、小声で喋っていたから良かったけれど、周辺の人には冷たい目で見られた。
「馬鹿。声がデケェよ!!」
「ごめん・・・。だって」
まぁ、アレからキスの嵐が止む事は無かった。下の方に降りるまで俺等は甘いキスを交わした。
「でも、初日から楽しかったな」
「うん・・・。本当」
嬉しそうに笑う美香の顔を満足げに見る俺は、改めて幸せだと実感したのだった。