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私ね、実は......

第7章 お泊り会2 ~アユ&正樹side~

~回想~




「アユ!危ないだろ?!」

「平気~平気!」


夏の暑い日。幼い頃俺達は小学校の近くにある木に虫取りをしていた。
幼い頃のアユは結構お転婆で...


「お前馬鹿かよ!!なんで、そんな高いところに上っていんだよっ」

「いいのぉ~ほら、せみしゃん取れキャア!!」

「アユ?!!」

高い山桃の木に蝉を取りにあがったものの、うっかり足を滑らして枝から落ちてしまったのだ。






「おい、アユ?!だ、大丈夫かっ?!」

「・・・っ~」

頭を抱えながら俺を見る。


「おい、痛いところとかないかっ?!」


「うぅっっ・・・」

「お、おい?!」

傍によると、そのまま俺に抱きついて泣いてしまった。


「ヒック、う、ううっ...」

「ちょ、お前大丈夫か?!」

散々泣いた後、アユの口からこんな言葉が零れたのだった。


「ふ、普通男の子なら優しくお姫しゃま抱っこしてくれるでしょ?!」


「はぁっ・・・?!」


「私、絵本で読んだもん!!お姫しゃまは、王子様にピンチのときはお姫しゃま抱っこされるって!!」


・・・・・。


「助けてやってそれは無いだろ?!」

「王子様なんだからっ!!」


意味の分からない言葉を言ってその場から離れない。俺は、小学1年生にしては良く出来た対処法だったと思ったが....



それから、30分後。休み時間をとうに過ぎていて後で先生達に叱られた。それに、校外に出ていたという事で反省文を書かされたのだった。






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