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いつまでも、何年経っても切なくて

第10章 切ない文化祭

夏休みはあっという間に過ぎていった。


響と雅と悠太君と遊園地に行ったり
華たちと遊んだり。


遥さんと涼ちゃんとダブルデートもしたし
響とは二人だけで沢山デートをした。


8月の私の誕生日に、響は可愛いお花のついた指輪をプレゼントしてくれた。


そうだ、クリスマスにもらったネックレスにも
春にもらったストラップにも同じお花がついていた。


『このお花、なんて言うの?』


何故今まで聞かなかったのかわからないけど、
聞いてみた。


「やっぱり知らなかったかぁ」
まっ、何年か経ってもわからなかったらその時は教えてやるよ、と。


わからなくても、数年は教えてくれないってこと?


まぁいいや...わからなくても


可愛いお花だってことで...


ウンウンと頷いていると


“ペシッ”


『いったぁ~い』
響が私のおでこを叩いた。


「お前、何の花か考えるの放棄しただろ?」


いえいえ...まさかそんな...
慌てて首をフルフル振った


「ったく、俺がどんな想いで...」と言いかけて響はその先の言葉を呑み込んだ。


どんな想い?...


私は響がそのお花の物を選んでくれている理由なんて数年先まで気付くことは無かった。





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