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いつまでも、何年経っても切なくて

第10章 切ない文化祭

「莉子、何してんの?」


その低い声に顔を向けることができない。
なぜなら宮本が私の顔を固定したままだからだ。


私はさすがにマズイと思い、持っていた玉ねぎを宮本の顔に至近距離から投げた。


やっと、手が離れて響の方を見ると
今まで見たことのないくらい怖い顔をして立っていた。


「あれ?もしかして今修羅場ってやつ?」と宮本は私にしか聞こえないような小さな声で呟いた。


宮本はこの状況を楽しんでいる様子だ。


響が宮本との距離を詰めてきた。


響が...


響の顔が...


こわい...

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