テキストサイズ

いつまでも、何年経っても切なくて

第10章 切ない文化祭

立ち止まって涙を堪えながら俯いていると、
急に誰かの足が視界に入った。


頭上から


「おいお前、俺らに仕事任せてサボるとは

いい度胸だな」


悪魔の声が落とされた。


涙が溜まっているのを忘れて


ふと顔を上げると


宮本と目が合った瞬間


涙がこぼれ落ちてしまった。


それでも...


『ご、ご、ごめんなさい...

本当にごめんなさい。

そして、響が殴ったりしてごめんなさい。』


私はペコリペコリと何度も頭を下げた。


もう一度頭を下げようとした時、


宮本の右手の人差し指がそれを阻止した。


私の額は今、


宮本の人差し指一本で固定されている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ