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いつまでも、何年経っても切なくて

第12章 積極的な彼

もう、宮本の方は見れなかった。


集会が始まっても宮本はおとなしくはしていなかった。


熱弁している校長先生がゴリラに似てるだの
鼻の穴がでかすぎだの延々と私の耳に呟くから
笑いを堪えるのに必死だった。


集会が終わり解散の時
宮本は「またな」と言ったので、
うん、と返事をした。


背を向けて歩こうすると
髪の毛が後ろから数本引っ張られたため
私は前に進めなかった。


『ちょっと何すんのよ』と振り返った。


宮本はまるで子どものように笑っていた。


さっきの“ドキっ”を返せー!


響が少し前の方に並んでいるからいいものの
こんなとこ見られたら大変だ。


そう思いながら教室へ戻った。

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