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いつまでも、何年経っても切なくて

第12章 積極的な彼

予鈴が鳴り、私は倉庫を出て走り出した。
後ろは振り返らずにひたすら走って教室を目指した。


教室に着くと響が待っていた...
「莉子、トイレ長すぎ。お腹痛いのか?」と。


雅の方を見るとテヘペロって感じでピースをされた。


イヤイヤイヤ...
今はその仕草にありがとうとは言えない。


『大丈夫、もう治ったから』と言って
自分の席に着いた。


授業が始まってもさっきのことばかり考えてしまう。


響には言えない。


言ったらすっごく怒るに違いない。
宮本だって何をされるかわからないし...


ちゃんと拒まなかった私が悪いんだ...


でも、どうして拒まなかったんだろう。
ちっとも嫌じゃなかった...




こんな自分に溜め息が出る...

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