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いつまでも、何年経っても切なくて

第13章 裏切りの結末

数日後、莉子の誕生日を迎えた。


莉子の誕生日にはいつも俺が莉子への想いと願いを込めたある花がモチーフとなっている物を贈っている。


小学生の時の担任でロマンチストな女がいた。
そいつが理科の授業でまだガキの俺らに話してたんだ。花と花言葉について...。


紫のアネモネの言葉の意味、それは...


  “あなたを信じて待つ”


俺はあの頃、いつか莉子と両思いになれる
そう信じて待つしかなかったから...


この日の授業を終えて莉子と話してたんだ。


「花言葉ってすごいよな」


『そうだね。私もお花とか貰う時が来たら花言葉調べてみよう!』


そう言ってたのにな...


確かに本物のアネモネを贈ったことはない...


この花の意味を思い出してほしいけど
思い出してほしくない。


俺は莉子が俺のことを好きになるように
暗示をかけてきたんじゃないかと思う時がある。


いつも誰よりも傍にいたから...


もしそうだとしたら
その暗示が解けるのが怖い。


俺は本当は


自信がないんだ...

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