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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

響は机の椅子に腰かけて
自分の部屋の閉ざされた窓を眺めていた


それからベッドに座っている私を見て
眉間にシワを寄せた


「お前、なんでそんなに痩せてんだよ」
顔色だって悪いし...と


『元々痩せてるから大丈夫だよ』


「何が大丈夫なんだよ」
ハァっと溜め息をつく


「バイトのこと聞いたよ」


『うん...』


「莉子、ごめんな」


『何が?』


「俺がずっと莉子を縛り付けてたから

お前が外でいろんな物を見る機会も無かったし

沢山の人と関わることも出来なかっただろ?

俺がもっと早く莉子を自由にしてあげていれば

莉子をこんなに苦しませなくて済んだのに」



違う...



それは違うよ響

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