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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

数日そんな日が続いていた


焦るばかりで何も決まらない
卒業式はもうすぐなのに


この日もリビングのソファーに横になって
うなだれていると


家のチャイムがピンポーンと鳴り響いた


「莉子、出てくれる?」
とキッチンからお母さんに頼まれて


ふらつく身体を起こして玄関に向かった


ガチャっとドアを開けると
そこには響の姿があった


『どうしたの?』


「ちょっとさ、

お前の様子を見に...」


え?


「おばさんに頼まれたんだよ

莉子が元気ないって」


さっさと上がらせろよとグイグイとドアの隙間から身体を入れてきた


おばさんお邪魔しまーす、とお母さんに聞こえる声で響はスタスタと二階の私の部屋へ入っていった

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