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いつまでも、何年経っても切なくて

第15章 離れていくその日まで

『もういいや』


「何がもういいんだ?」


『ゲームで負けてもぜんっぜん悔しくないし!』


「あっそ。まぁ俺も勝って当たり前の相手に勝ったってぜんっぜん嬉しくないし!」


精々、莉子が可哀想だなと思うくらいだよ、と


本当はちょっと悔しいけど
この感じ、懐かしい


昔の二人ってこんな感じだったかな...


『ねぇ響、卒業記念にプリクラ撮ろうよ』


あんな恥ずかしいもんって言いながら
響はアッサリ承諾してくれた


久しぶりに狭い空間に二人きりになって
機械を操作する度に触れる身体にドキッとした


早くしないと心臓が破裂しちゃう!


『いくよ!響、男前に頼むね』


「常に男前の俺にこれ以上どーすれって言うんだよ」

......


私がポカーンとしているうちに
“カシャッ”


『あーちょっとぉ、響が耳を疑うことを言うからー』

もう黙ってて、次いくよ!



!!!

“カシャッ”


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