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人間と愛は釣り合わない。

第1章 無口で優しい貴方様ヘ

貴方はどうして、ワタクシだけを見てくれないのでしょう。

ワタクシは貴方をずっと見つめているのに、

貴方はよそ見ばかり…


時には、ワタクシ以外の人間と楽しそうに談笑していらっしゃる。

ワタクシには、到底理解出来ない行為です。

貴方と他の人間との間の時間など、どうでもいい。

貴方とワタクシの間に流れる時間だけを大切にして欲しいだけなのです。

貴方の部屋にワタクシを監禁して、ワタクシは貴方に囚われていたいのです。

貴方と一つ狭い部屋に居るとき、ワタクシはいつも時が止まってしまえばいい、と思っている。

貴方のその優しさをワタクシだけに注いで欲しいのです。

貴方だけに包まれていたい、貴方だけを感じていられればそれでいいのです。

ワタクシのこの胸を締め付けるような苦しみ、痛み、辛さは、貴方に到底分かり得ないのでしょう。


、決して…決して、…貴方には。






…届かない。

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