テキストサイズ

監禁愛~奪われた純潔と囚われの花嫁~

第6章 Waking(めざめ)

 電話を切った後、愛奈は込み上げる涙を抑えきれなかった。拓人は自分に贈る宝石を買いに行こうとして、観光バスに乗った。その途中で悲惨な事故が起きてしまったのだ。
―何か土産を買ってきてやるから、大人しく良い子にしてるんだぞ。
 拓人がマンションを出るときの科白が今更ながらに思い出された。あの時、自分は何と応えただろう。いや、何も応えなかった。長い旅路に出る彼を見送りもせず、ふて腐れてベッドの中にいた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ