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地雷女。

第10章 瞳の過去





ママにこんな顔を見せてしまっては、もう言うしかない。


アタシは決心を決めてはうなずいて、話そうとしたら……


スッ!


ママが私にハンカチを差し出した。
赤に近いショッキングピンク……


ママには負けたよ。

波を拭いては


「ママ……
アタシね、
実は昔……7年前に結婚してたの。
当時、アタシはメイクもしないスッピンちゃんで、持ち物や服装にも無頓着だったの。」


ママは真剣な顔で黙って、うん、うんと頷きながら、アタシの言葉一つ一つを丁寧に聞いてくれている。


「今と大違いでしょ。その頃の夢はね、まだ結婚式も挙げてなかったから、豪華でなくてもいい、小さく二人だけでもいい、細やかな結婚式をして、子供を産んで幸せに暮らすつもりだったの。
普通の幸せがあればいいと思ったの。」



アタシの声は震えていた。

そんなアタシをママは頭を撫でては黙っていた。




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