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地雷女。

第10章 瞳の過去






アタシはもう止まらなかった。

一度開かれたダムの決壊のように……


これまで黙っていたことが爆発する。



「当時、アタシはスーパーの店員だったの。彼はお客様でね。あの頃のアタシは精神にも更に若すぎていて、何度もアタックしてくる彼を直ぐに好きになっては、結婚したいと思ったの。

アタシ家族いないからさ。

優しい彼となら、幸せな家庭が築けると思って……
でも彼はギャンブルが好きな人で趣味程度かと思ったら、あちこちに借りていてね、一年目の結婚記念日に貯めていた貯金を少し下ろして、細やかながらもお祝いをしようとしたら、貯めていた300万円全て使われてた上に借金取りまで来てね、彼、こう言ったの。

"コイツを宜しくお願いします。"


アタシショックでその場を逃げたけど、借金取りが追ってきてね、警察まで逃げたの。


結局
アタシの借金じゃ無いから返さなくて良かったけど、ショックも良いところだった。」


ママは目を真っ赤にしてアタシを見ていた。




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