地雷女。
第10章 瞳の過去
当時のアタシが鮮明に思い出される。
「それから、
警察を出て朦朧となりながらも何とか歩いていたら、向こうから明るく楽しそうな女の子、アタシと同じ年ぐらいの娘たちが二人、綺麗で派手なパンプスやワンピース、バック、一つに髪をただ束ねた髪と違って、美しくカラーかれては弾むようなカールを施された髪、すれ違った時にはフレグランスのいい香りの二人組とすれ違った瞬間……
何かが"パーン"と弾けたの。
それからは旦那と離婚して、旦那の親から何とか200万返して貰えたのはいいけど、何かが弾かれたアタシは200万全て自分の身なりに使ったの……一円も残らず……。
でも……
でも使っても、使っても、全然スッキリしなかった。」
アタシはこのことを言う事で少しスッキリした気がした。
ママはギュと更に強く手を握ってくれた。
そんなママの手も濡れていた。