テキストサイズ

なななの短編♪

第9章 読み切り『寡黙男子』

しばらくの沈黙が続いた。


うざいとか…思われたかも…

モヤモヤしててそれを解消したかったくせに、

すごく時間を戻したくなった…。


もういいや…

黙って背中見てるだけで私は──


『何の返事をすればいいの?』


────は?


学の淡々とした言葉にずっこけそうになったのをよく覚えてる。


『何って…だからっ…その…っ付き合ってくれるのか…そうじゃないのかっていう…』


『………俺と、付き合いたいの?』


さすがにイライラして顔をジッと見つめた。


バカにしないでよっ…!って言いそうになったけど、真顔な学を見て、彼が真面目にその質問をしていることに気付いた。


『うん…もしよかったら…付き合い…たい…』


その時、

窓から風が吹いて、カーテンが揺れた。


それを眺めていた学の長い前髪も靡いて…




えっ…すごい…かっこいい…っ!?!?


告白の最中に

私はまた彼に恋をした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ