
なななの短編♪
第11章 なぁなぁな2人
「ともちゃん──…」
智の両肩に触れた樹。
突然の真剣な眼差しに、智は軽く目を見開く。
しばらく続いた沈黙。
何を言われるのか……
少しだけ甘い展開を期待したそのとき──
「わああっ!!!!!!」
「っ……!?!?」
突然叫び出した樹にさらにカッと智の目が開く。
えっ……な、何今のっ…
困惑していると、樹は再び黙って智の事を見つめたあと、おっ!と小さく呟いた。
「しゃっくり止まったんじゃね?」
「…あ………」
確かめたくて、智は胸に片手を当てたまましばらく黙り込む。
「ホントだ……」
「良かったね」
効いた効いた。
ニコリと微笑みながら、樹は自分のカバンから財布を取り出した。
「あ、で、いくら渡せばい?」
「え…?」
「ビール代」
「あ〜……」
目を泳がせながら、智はあれこれと考える。
どうしようか。
やっぱりもらってみようか。
