テキストサイズ

なななの短編♪

第11章 なぁなぁな2人



「600円…くらい?」


「おっけー!」



あっさりと払おうとする樹に、智は小さく息を吐く。



そして、500円玉と100円玉を手に乗せられて、ジッとそれを見つめた。


が………




「……俺もともちゃんに買ったから、もらうね?」


「え……?」



一瞬だけ手の平に乗った小銭がすぐに奪われる。



俺もともちゃんに…買った?



首を傾げていると、樹は親指を立てて冷蔵庫に差した。




「冷蔵庫、入れてあるよ」



「………」



「しかもね、ともちゃんが買ってきてくれた本数と全く同じだった」



それって……つまり…




気になった智は冷蔵庫の前まで足を進める、そして開くと、自分が買った倍の量のビールが入っていて、思わずフッと笑った。



「ホントだ……」



「ね?」



「………おんなじこと考えてるし…」



智のセリフを聞いて、樹は軽く目を見開く。



……おんなじことも、言ってるんだけど…



そんな事を心で呟きながら、智の元に寄って肩を叩いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ