ももいろタイム【完】
第13章 私の世界
「さぁ、食べて」
彼はベットに繋げていた部分を外し、私を座らせる。
でも腰が抜けて座れず、後ろへ倒れてしまった。
「あぁ、ホントに無理させたみたいだね」
ベットのヘッドにクッションのようなものを置き、そっと私の身体を寄りかからせる。
「自分で食べたい………」
「ダメだよ。まだ目隠しは外せない」
「どうして?お願い。逃げないから」
「ごめんね。さぁ、口を開けて。君を弱らせたくないんだ」
私は仕方なく口を開けて、男に食べさせてもらった。
「ねぇ、名前くらい教えて」
「………」
「お願い。せめて人と過ごしているんだと、感じたいの」
「感じたい………ね。じゃあ」
そう言って、私の足へ手が触れる。
「あ………そうじゃないの。やめて」
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