ももいろタイム【完】
第17章 大好き!
「藍那、待て」
足を止めて振り返る。
「お兄ちゃん、邪魔してごめんなさい。疲れてるんだから、ゆっくり眠って」
にっこり笑って、お兄ちゃんの部屋を出た。
自分の部屋に入ると、ヘタリと座り込んでしまった。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん………大好き」
さっきのお兄ちゃんの行為にドキドキする。
あたしを好きな分けじゃないのに。
誰かと間違えたんだ、きっと。
でも、お兄ちゃんにキスされて抱きしめられて、嬉しかった。
あんな風に他の女の人を抱くんだと思うと、胸が締め付けられるように痛んだ。
「あたしは妹だしね………。でも、どうしようもないくらい好き」
諦めに似た悲しみが、あたしの胸に渦巻いた。
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