Take me
第12章 12
学校に着くなり、瑛士のところへ一直線に走る。
「瑛士!」
「紘夢!」
瑛士も俺に気付くなり、席を立って向かって来てくれた。
「お前…大丈夫か?!お兄さんから連絡は来たけど」
「うん、助けてくれてありがとう」
「俺は何もしてないから。俺が行っても何も出来ないからお兄さんに頼んだんだし」
苦笑する瑛士の頭を撫でる。
お兄ちゃんが俺にしてくれたみたいに。
「なんだよ」
「いいこいいこ!」
「お前なぁ…」
瑛士には、何も出来ないって思わせてしまってるけど
俺には家族以外で、瑛士より頼れる関係のやつはいないって
そう思ってるんだからな。