Take me
第19章 19
「あ」
千晃さんいつの間に…
テーブルに置き去りにされたままの一万円札。
俺はそれを財布にしまって、また自分の財布からそれとは違った5千円を取り出して席を立ち上がった。
「ご馳走様でした」
店を出て思った
住所が聞きたいのならメールで良かったんじゃん。
いや、違う。
あの人のことだからきっと、迷惑になる事をするかも知れないのだからちゃんと顏を見て協力を求めたのかも。
紘夢が千晃さんを好きな理由が、段々と理解できてしまうような自分がまた複雑。
「あー…、愛されてんなぁ紘夢。」
多分、この時辺りから
俺は心のどこかで覚悟はもう決まってた。