寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
あの帰りの時間を、亮に取られたような気持ちになった。
取られたってなんだ…?
だって俺は部活があるから一緒に帰れなくて…
だから、亜紀乃がどう放課後を過ごそうと、それは亜紀乃の自由な訳で…
「一応彼氏に聞いとくかー」
動揺する俺のこと亮は、ニヤニヤしながら見ていた。
彼氏…か…
「学っ!俺今日亜紀乃と一緒に帰ってい?」
しばらく、変な間が空いた…
これは、
嫌だ…って…
言っていい場面…なのか…?
でも嫌だっていう理由は…俺がただの幼馴染みの亮にヤキモチを妬いてるからであって…
………姉貴…ヤキモチしたら、嫌われるって…言ってたよな…