寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「……………嫉妬…してるから…」
だから…
だから…
「だから…」
そんな理由で、亜紀乃を俺から攫っていくな…。
思わず、亜紀乃の手を強く握ると、驚いた亜紀乃が俺の顔を見た。
「オーケーですっ!! じゃあ俺は愛しの梨子ちゃんのことろへいきますので、あとはどうぞ暗闇で仲良くしてください!」
…………????
亮は突然そう叫んで、亜紀乃の頭をまたわしゃわしゃと乱した。
「なっ…ちょっと…亮!?」
「あれ?本気にしちゃった?亜紀乃ちゃん?」
「なっ…」
どういうことだ…
何も飲み込めないまま、また楽しそうに話し始めた二人にモヤモヤが募る。
そして、逃げようとした亮を追い掛ける亜紀乃の手を、また俺は不意にグッと強く引っ張った。
「亜紀乃…」
「なっ、なに?」
頼むから…
「………行かないで…」
もう…限界なんだ…