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寡黙男子

第4章 二歩目を探る *学の世界*



亮が何か叫んだように聞こえたけど、俺は目の前にいる亜紀乃で頭がいっぱいだった。


ただ、衝動的に握ったままの手が離せないまま、時間だけが過ぎて行く。



「あの…」



そんな中で、言葉を発したのは、亜紀乃の方だった。




「どうしてここにいるの?」




……どうしてだっけ…



ああ、そうだ…





「………忘れ物…取りに…」


「そう…なんだ…」




何してるんだ…俺…



早く取りに行くべきなのに…



でも…


手を離したくないんだ…。





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