寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「……公式戦が終わるまでの2週間…練習終わるの…待っててもいい?」
え…?
「………………いいの?」
抱き締め返されて、心拍数が有り得ないほど上がった。
こんなに密着してたら聞こえちゃうな…
「やっぱり一緒に帰りたいから…」
……亜紀乃も…俺と同じ気持ちだった…?
「迷惑じゃないなら…」
「……嬉しい…」
帰ったら
姉貴と兄貴に報告しよう。
「…………ありがとう…亜紀乃…」
「………お礼なんて言わないで?」
そう言って、亜紀乃は上目使いで俺を見上げた。
「………だって…私…一日の中で…学と帰れる時間が…一番幸せだから…」
…………やっぱり…
このことは、
俺だけの大切な思い出にしよう…。
『二歩目を探る *学の世界*』【終わり♪】
だらだらごめんなさい… 奈々