寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「抱き締めて…それで…手を繋いで一緒に帰って…」
亜紀乃……
そんなにかわいいことばっかり
言わないでよ。
暴走しそうな自分にブレーキをかけながら、俺は亜紀乃を壊さないように、優しく自分の方に引き寄せた。
なのに…
「もっと…きつく…」
「…………それで息出来るようになるの?」
「……ならないかも…」
え…
じゃあ…俺は一体…
「ダメ…弱めないで…」
え…
そんな…
だって息…出来ないんでしょ…?
小さくうふふと笑ってる亜紀乃愛しくて、俺は戸惑った。