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寡黙男子

第2章 はじめの一歩から *学の世界*

「分かった分かった、邪魔者は退散しますよんっ。
あ、じゃあね学!!」



「うん。」


手を振って去っていく亮。って…俺も亮って呼んでいいのか…?まぁ脳内ならバレないな…。


にしても…なんか楽しい奴だったなぁ…。
俺もああいう風になれたら、平沢さんも、もっと楽しいとか、思ってくれるのだろうか。



「なんか…ごめんね…。」


え?

突然謝ってきた平沢さんに首を傾げる。



「……………何で謝るの?」


そう尋ねたときだった。
ポツリと空から水滴が降ってくるのを感じた。


あ、これは…



「あ、いや…だって…」



何かを言い掛けた平沢さんの手首を俺は掴んだ。



「えっ…なっ、何っ!?」



あ、やばい。
急に触ってしまった…。


自分の行動に思わずフリーズしていると、次第に強まる雨にハッとして俺は、雨。と呟いた。



「え?ごめんなんて言った?よく聞こえなかったっ…」


「…………………雨。」


どうしよ…傘持ってないし。


…………ここからだったら、平沢さんの家より、うちの方が近い。


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