寡黙男子
第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*
「お前の彼氏、手強すぎっ!!!!」
そう言いながら、亮はお腹を抱えて笑い出した。
「何それ…」
バカにしてんの!?
「もーいいから帰るよっ!」
グッと亮のカバンを引っ張ったら、何言ってんの?と言葉を返されて私は振り返った。
「何言ってんのって…帰るのでしょ?」
「学も学だけど、亜紀乃も大概だよなぁ…」
「はぁ?なんかムカつくんだけどっ…」
「鈍感バカだなぁマジで」
うざっ…
本当、何でこんな奴が幼なじみなのか訳が分かんない…っ
「バスケ部の練習が終わるまでここにいんぞ」
「へ?」
「だからさー、お前の危機的状況を救ってやるって言ったよね?俺…」
ポリポリと、それはそれは退屈そうに亮は頭を掻いた。
危機的状況を救うって…
「どうやって…?」