寡黙男子
第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*
じゃあ他の人だったら妬いてくれるの?
そんな訳ないよね。
学は一緒に帰れなくても全然平気だし、私が誰と帰ったってきっと…
「亜紀乃っ…あのあんまり気にしない方がっ…」
奈央が慰めてくれてる中で、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「私は…大丈夫」
うそ。
全然大丈夫じゃない…
そのあと、学の背中を見ながらの授業はそれはそれは最悪な気分で…
たまに、溢れる涙を堪えることが出来なかった。
それでも、もしかしたら、やっぱりやめてって学が言ってくれるかも、なんていう淡い期待をもってたけど、
放課後になったら、学は、じゃあ…とだけ言って、部活に走って行ってしまった。