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寡黙男子

第4章 二歩目を探る *学の世界*

「本当に有り得ないっ!」


「……………」


「だってさ、ちょっと他の男と話しただけだよ!?」


「………………」



「なのに、『あいつの事好きなんだろ』って怒鳴ってくるなんて…っ!もう本当にうざいっ!!!!」



何故か俺の部屋にいる姉貴は、
何故か俺のベッドに寝転びながら、
何故か俺の枕を思いっきり殴った。


俺が悪い…んじゃない…よな…



「ちょっとっ!? どう思うっ!?」



どう思うと言われても…
全く状況が分からない。


話は聞いてはいたけど、何故姉貴の彼氏が怒り出したのかも分からなければ、怒り出した彼氏に姉貴が怒っている理由も分からない。


俺には、分からないことだらけだ…



「なんか言ってよっ!もしかして学も誠司派っ!?」


「……?」



叫んだ姉貴は、立ち上がると、勉強机の椅子に座る俺の胸ぐらを勢いよく掴んだ。

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