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あの学校には...

第5章 この学校にイジメがない訳と例の競技の意味。


「すぅーはぁーー」
真理が深呼吸をした。
奈津も真理の深呼吸に合わせて、小さな呼吸をする。
真理は深呼吸をしてから約10秒たつというのに、まだ一向に言おうとしない。
〈...やっぱり〉
奈津が思った通り、勢いで放課後に言うといってしまったので、まだ心の準備が出来ていないようだ。
それから約30秒。
真理は言う決心がついたのか、息を思いっきり吸った。
奈津はその息を思いっきり吐くのかと思った。
だが、奈津の思った通りにはいかず、声が聞こえた。
「あのね、さっきいってた例の競技って、本当に聞きたい?」そういうふうに言われると奈津は凄く不安になり、古傷が痛む。
この古傷は前の学校でイジメられた時につけられた傷だ。
「いっ...!!」
「え!?だっ、大丈夫?」
「うん、大丈夫。それより、聞かせて、聞きたい。」
「本当に良いの?」
「うん」
「後で聞かなきゃ良かったとか、後悔しないでよ!」
「大丈夫。後悔しないから。」「本当ね、じゃあ―――――――――」

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