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息もできない

第4章 気になります

「悪い……そこまで考えが及ばなかった…」
「え…………?」

なんで、この人が謝るの

「新社会人だって言ってたもんな。ただでさえ初めての仕事で気張ってるのに……余計なことした…そんなに気に病まないでくれ………」


え、どうしてそんなことわかるの……
それにこの人俺が嫌いだったんじゃ?

「はな、し、って…?」
「ん?今日はだめだろ。もっとちゃんと、聞いて欲しい」

なんで、やだ
もやもやする

これ以上、長く考えるのなんてやだ

一方的に抱き締められていて下に垂らしていた腕を店長さんの背中に回してそのまま店長さんの服を掴んだ

「やっ…あ…やだ。も、考えたくない」
「……考えたくない…………か」

強く抱き締められて
俺も強く掴んでるから
顔が見えなくて
それでも
なんだか店長さんが困ってる気がして

あぁ、こうやってまた嫌われる…

掴んでいた手を離して
俺と店長さんとの間に手を入れる

「…?」

そのまま、店長さんの肩をゆっくりと押した
特に抵抗のないまま身体が離れる

「も、いい…です。…帰ります…」
「え?ちょっ…」

カーテンを開けてドアも開けようとする

ガチッ

…カギ…?

カギを開けるのに手間取っている間に
店長さんに後ろから抱き締められた

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