息もできない
第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)
休日で、人がごった返しまっすぐ歩くのもままならないような中で俺は柱と一体化するかのように立っていた
視線の先には黒澤朗その人
すぐそこにいるにもかかわらず声をかける勇気が何故か湧かず、俺はさっきからずっとまるで刑事が張り込みでもするかのように隠れたり、たまに監視したりを繰り返していた
働いている朗はあの夜の鬼畜っぷりを微塵も外に出さず、次々現れる客の要望に一度も臆することなく軽々と客をさばいている
かっこいい、な
俺より少し低いぐらいだが、一般的には充分高身長な朗に羨望の眼差しを注ぐ奥様もいる
あぁほら、また
そいつお前のこときらきらした目で見てる
あいつに関しては、ワインなんて興味ないだろ
見てるうちに隠れることを忘れてただ遠くから見つめるだけになってしまっていると
流石に視線を感じたのか、仕事の合間に朗がチラリと俺の方を見た
「!!」
朗は一瞬動きを止めたが、直後に話しかけられた客の方へすぐに向き直った
あいつ、俺を見て動揺した?
俺にも脈ありか?
なんか、この距離が焦れったいな
俺は客足が引くのを待ちがてら自分を落ち着かせるために一度喫茶店に向かった
視線の先には黒澤朗その人
すぐそこにいるにもかかわらず声をかける勇気が何故か湧かず、俺はさっきからずっとまるで刑事が張り込みでもするかのように隠れたり、たまに監視したりを繰り返していた
働いている朗はあの夜の鬼畜っぷりを微塵も外に出さず、次々現れる客の要望に一度も臆することなく軽々と客をさばいている
かっこいい、な
俺より少し低いぐらいだが、一般的には充分高身長な朗に羨望の眼差しを注ぐ奥様もいる
あぁほら、また
そいつお前のこときらきらした目で見てる
あいつに関しては、ワインなんて興味ないだろ
見てるうちに隠れることを忘れてただ遠くから見つめるだけになってしまっていると
流石に視線を感じたのか、仕事の合間に朗がチラリと俺の方を見た
「!!」
朗は一瞬動きを止めたが、直後に話しかけられた客の方へすぐに向き直った
あいつ、俺を見て動揺した?
俺にも脈ありか?
なんか、この距離が焦れったいな
俺は客足が引くのを待ちがてら自分を落ち着かせるために一度喫茶店に向かった