
息もできない
第23章 今度は俺?
直は俺を傷つけたりなんかしなかった
俺が傷ついたと思っていたことは全てただ何かを疑って焦った結果として出来たもので、時間とともに薄れていくような小さな傷で
最低すぎ
俺を咎めるように頬の傷が痛んだ
直が熱を出して寝込んでいるなんて夢にも思っていなくて、そもそも会社に行っていないことすら知らなくて
情けなさに涙が出そうだった
さっき中野がいたってことは、あいつが看病しに行ってくれたんだろうか
同じ会社だし、幼馴染だし、休んだことに気がつくのは難しくないのかもしれない
俺は何か買って行くべきかと考えてみたが、そんなことよりも早く直の具合を知りたいと思いどこにも寄らず家に帰った
寝ているかもしれないから、そっとドアを開けて家に入る
廊下を通ってリビングに入るとそこには
「おかえりなさい」
福山仁がいた
「何でお前がここにいるんだ?」
「中野さんに入れてもらって、中野さんが帰ったから」
特になんの感情も見せないでそう言い切った福山は俺の方に歩み寄ると
「谷口さんは熱もそこそこ下がって、今は寝てる」
そう言って俺の肩を玄関の方にぐい、と押した
「ーーだから、ちょっと話いいか」
俺が傷ついたと思っていたことは全てただ何かを疑って焦った結果として出来たもので、時間とともに薄れていくような小さな傷で
最低すぎ
俺を咎めるように頬の傷が痛んだ
直が熱を出して寝込んでいるなんて夢にも思っていなくて、そもそも会社に行っていないことすら知らなくて
情けなさに涙が出そうだった
さっき中野がいたってことは、あいつが看病しに行ってくれたんだろうか
同じ会社だし、幼馴染だし、休んだことに気がつくのは難しくないのかもしれない
俺は何か買って行くべきかと考えてみたが、そんなことよりも早く直の具合を知りたいと思いどこにも寄らず家に帰った
寝ているかもしれないから、そっとドアを開けて家に入る
廊下を通ってリビングに入るとそこには
「おかえりなさい」
福山仁がいた
「何でお前がここにいるんだ?」
「中野さんに入れてもらって、中野さんが帰ったから」
特になんの感情も見せないでそう言い切った福山は俺の方に歩み寄ると
「谷口さんは熱もそこそこ下がって、今は寝てる」
そう言って俺の肩を玄関の方にぐい、と押した
「ーーだから、ちょっと話いいか」
