息もできない
第24章 過去と現在
触れるだけのキスを何度もして、口を離すと直は心底安心したような顔をした
「はぁ……良かったぁ」
まだ机に半分乗り上げていた身体を床に下ろし、俺の腕の中で居心地のいい場所を探し出してから直は呟いた
「ん?何が?」
俺が問うと直は顔を俺に擦り付けながら話し出した
「だってさ、こんな高い旅館にいきなり連れて来られたから……思い出作りっていうか……なんか……別れ話、かなって……その前に千尋さんのとこで仲直りしたっぽかったし……」
「俺が千尋とヨリを戻すんじゃないかって?」
「……ん……」
あぁ、だから
たまに不安そうな顔をしてたのか
俺は微笑ましく思いながらも、直の頬を優しく抓った
「何それ。俺の気持ち疑ったの?」
「をえんにゃひゃい」
上手く喋れない直に笑って、またキスをした
「違う。俺が謝るべきでしょ。不安にさせてごめん」
俺がそう言うと直は綺麗に微笑む
「いいの。何回も言ったよ?春陽は俺に何したって良いの。最後にちゃんと、ここに俺を迎えてくれるなら」
直は嬉しそうに俺の腕の中に収まった
俺は直の髪に鼻を埋めてその匂いを嗅ぎながら、直をまた抱きしめられた幸せを噛み締めていた
「はぁ……良かったぁ」
まだ机に半分乗り上げていた身体を床に下ろし、俺の腕の中で居心地のいい場所を探し出してから直は呟いた
「ん?何が?」
俺が問うと直は顔を俺に擦り付けながら話し出した
「だってさ、こんな高い旅館にいきなり連れて来られたから……思い出作りっていうか……なんか……別れ話、かなって……その前に千尋さんのとこで仲直りしたっぽかったし……」
「俺が千尋とヨリを戻すんじゃないかって?」
「……ん……」
あぁ、だから
たまに不安そうな顔をしてたのか
俺は微笑ましく思いながらも、直の頬を優しく抓った
「何それ。俺の気持ち疑ったの?」
「をえんにゃひゃい」
上手く喋れない直に笑って、またキスをした
「違う。俺が謝るべきでしょ。不安にさせてごめん」
俺がそう言うと直は綺麗に微笑む
「いいの。何回も言ったよ?春陽は俺に何したって良いの。最後にちゃんと、ここに俺を迎えてくれるなら」
直は嬉しそうに俺の腕の中に収まった
俺は直の髪に鼻を埋めてその匂いを嗅ぎながら、直をまた抱きしめられた幸せを噛み締めていた