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息もできない

第24章 過去と現在

俺も春陽に抱き付きながら


「うん。俺も春陽に食べられたい、全部」


と呟いた


食べられて、消化されて、体内に吸収されて

死ぬまで
いや、死んでもずっと

春陽の血潮になって一緒にいたい
そうなれるなら俺の身体なんてどうなってもいい


なんて

春陽の思考が伝染したかな


きっと俺と同じようなことを考えているであろう恋人を見上げると当たり前のように目が合う

それが嬉しくて俺はまた「大好き」と言いながらキスをして首筋に跡を残した


「直顔赤い。あんまり長く浸かってると逆上せちゃうね。そろそろ上がろうか」
「うん」


また俺を抱えて湯船から出た春陽に俺は問いかける


「ねぇ春陽」
「何?」
「明日はさ、何か予定あるの?」
「ん?今日みたいなこと?」
「うん」
「特に何も考えてないけど」


そうなんだ
せっかくのお休みだし、どこか行きたいな


俺が考えていることが伝わったのか、春陽は俺の額にキスをして


「どこ行こっか?」


と微笑んだ

俺もつられて頬を緩める


「どこでもいいよ。春陽がいるなら」



ふかふかの布団に入って
抱き合って、お互いの体温を感じながら
俺たちはゆっくりと幸福の眠りに落ちた

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