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息もできない

第25章 息もできない

「お……はよ……」


まだ眠いながらもようやく朝の挨拶を返してくれた春陽に俺は少し笑いながらキスをした

すると春陽は少し離れた俺の頭をもう一度引き寄せてキスをする


「旅行に行った時は直が何度も外で食事をするのが嫌だったけど、朝起きて直が隣で寝てないのも少し嫌だ」
「!」


過去のことが払拭されてからというものこういう嫉妬を言ってくれるようになった春陽


普通ならこういうのめんどくさいって思うんだろうな

でも俺の心にあるのは
愛しさだけで


「春陽、大好き」


俺が呟くと春陽は一瞬驚いた顔をした後、少し照れくさそうに微笑んだ


「俺も、好きだよ。愛してる」



愛してる


その言葉が脳に響いた
視界に入るのはお揃いの指輪


「……ぅ、ん……」


俺は春陽の胸に顔を埋めた


「はは、何?直泣いてるの?」
「ぅぅう………〜〜っ泣いてないっ……」


俺がそう言うと春陽は「そっか」と笑いながら頭を撫でてくれる




「春陽っ……」
「ん?何?」
「俺、もっ……愛してる……っ」




俺はもうこの後の人生で春陽以外に好きになれる人なんて出会えるわけがない


ずっと側にいて
愛してるよ、春陽


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