片想いの行方
第9章 星空の下で
「ご…ごめんね、心配かけてしまいまして…」
あたしはしどろもどろになりながらも続ける。
「それでヒメに言われてわざわざ来てくれたんですね…。
も、もう、本人は来ないで人に言いつけるなんて、まったくもー…」
ごめん、ヒメ。
ちょっと悪者扱い。
「いや、ヒメは俺に見に行けとは言ってねーよ」
「え?」
「ヒメがでかい声で話してるのを俺が隣りで聞いてただけ。
あんな奥の方まで行って、1人でイジけててアホだよな~って言ってたからさ。
俺が勝手に気になって来てみた。
そしたら本当に…香月がここにいた」
蓮くんがふっと笑う。
「こんな人の少ない場所に1人でいたら危ねーだろ。
俺と一緒に見ようぜ」