片想いの行方
第9章 星空の下で
心臓のドキドキがうるさい。
こんなに鳴ってたら、蓮くんに聞こえちゃうよ…。
「あともう少しで8時だな。
確かに星はすごいけど、本当に流星群なんてくるんかな」
私のすぐ隣で、足を伸ばした蓮くんが呟く。
黒のTシャツに色落ちしたジーンズ。
初めて見る蓮くんの私服。
ラフな格好だけど、日焼けした腕がすらっとしていて、たまらなくカッコイイ。
月明かりに照らされた、その横顔を、あたしはちらっと見る。
近くには誰もいない。
静かな時間。
あたしは、ドキドキすると同時に、この幸せな時間を噛みしめていた。
…ヒメがくれたきっかけ。
無駄にしちゃダメだ。