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片想いの行方

第10章 協力する理由

「?……なんのこと?…」



頭の思考が追いつかない。



蓮くんに、彼女がいるってだけでも衝撃的なのに。


その事を、ヒメは知ってたの……?


それに今の言葉だと、ヒメに何かあるような言い方…


あたしはさっきとは違う心臓のドキドキに戸惑った。




「ここ最近、香月といる時のヒメは、本来のヒメに戻ったような表情をしてたから。

気になってたんだ。

…あいつの心から楽しんでる笑顔、久しぶりに見たから」



蓮くんは、少し切ない顔になった。



「……蓮くん……」


どーいうこと?

ヒメはあたしといない時も、笑ってる。

友達いっぱいに囲まれて、いつも笑顔だよ?



ますます、蓮くんの言葉の意味がわからない。




「…ヒメの事が、気になっているの?

蓮くんとヒメって……」



あたしが聞くと、蓮くんは星空を見た。



そして、静かに言った。









「……俺が、ヒメから彼女を奪った。


今の彼女は、ヒメの元カノなんだ」

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