片想いの行方
第10章 協力する理由
「……………っ」
声が出ない。
頭がクラッとして、目の前が霞んできた。
それでも、蓮くんの声だけはハッキリと聞こえてくる。
「…補習の時、ヒメと分かり合えないって言ったのは…
この事が関係してる。
だから…、彼女がいるってことは、自分からは周りに言わないようにしてるんだ」
蓮くんは、あたしの方に目線を戻した。
「ヒメと仲良くなったばかりだって言ってたのに、いきなりこんな話してごめん。
補習の時もそうだったけど、なぜか香月には……本音というか、自分でも不思議なくらい話しちまう。
…なんでかな」
「…………」
蓮くんの切ない瞳が、真っ直ぐ見つめるから。
耐えられなくて、あたしは視線を星空に向けた。
色んな疑問と気持ちが混ざり合って、心の中がぐちゃぐちゃだった。