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片想いの行方

第10章 協力する理由





「……大丈夫です」



あたしは震える気持ちを抑えて、ゆっくり言った。



「今の話……ヒメにも、誰にも、絶対に言いません。
安心してください」





「……香月」



蓮くんに呼ばれて、あたしは再び彼を見た。




「俺から勝手に話ときながら、それ以上聞かないでくれて。

……ありがとう」



蓮くんのふっと笑った顔を見て…


あたしは胸が苦しくなった。


苦しいけど、聞かずにはいられなかった。




「ひとつだけ……教えてください。

蓮くんは…… 彼女さんのことが、すごく好きなんですよね……?」




当たり前な質問。




蓮くんは、静かに言った。




「……あぁ。

すごく大事な人だ。

俺より3つ年上だけど、守ってやりたいといつも思ってる」

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