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片想いの行方

第10章 協力する理由

その時




1人の足音が聞こえてきて、しゃがみ込むあたしの目の前で止まった。







「…………ヒメ……」







見上げた視線の先に、月明かりを背にしたヒメが、あたしを見下ろしていた。


表情がよく見えない。





ヒメは、そのままゆっくりとしゃがみ込んで、あたしと目線を合わせた。







「予定通り連れてきてやっただろ?


…泣くほど嬉しかった?」






「…………っ!」







パシッ………






あたしは思わず、ヒメの右頬を叩いた。

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