テキストサイズ

片想いの行方

第10章 協力する理由

「……痛って…」


ヒメは右頬を押さえて、あたしをジロッと睨む。


だけど、自分の怒りが爆発しそうで、その目線はちっとも怖くなかった。




「………ひどいよ、ヒメ」


あとからあとから、涙がこぼれる。


「蓮くんに彼女がいるって知ってたなんて…

嘘つき…!」



1人で浮かれて、バカみたい。


新しい服を着て、蓮くんと番号交換が出来ても


何にも意味が無いじゃない。





「…俺は蓮に彼女がいないなんて、一言も言ってねーよ」


「………!!」


カッと頭に血が登る。


どうして……?

酷すぎるよ…!




「……っ、彼女がいるのに、告白なんてできるわけないでしょ…!
始めから言ってくれてたら、こんなに悲しい思いしなくて済んだもの…。

ヒメのバカ!」




もう一度振りかざしたあたしの手を、ヒメがバシッと掴んで止めた。






「………そんなもん?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ