片想いの行方
第10章 協力する理由
「………!?」
掴まれた手首に、ヒメがさらに力を入れてくる。
「頑張るって言ったよな?
お前の本気ってその程度かよ?」
手から伝わる熱と、真っ直ぐ見つめる鋭い目線。
あたしはその迫力に捕らわれて、体が動かなくなる。
「本気で蓮を好きなら、奪ってでも手に入れろ。
彼女がいるなんて、関係ない」
「…………!」
「蓮の彼女の事なら心配するな。
俺が何とかするから」
その言葉を聞いて、心臓がドクンと鳴った。
まさか……
「……始めからそのつもりだったってこと…?」