片想いの行方
第11章 悩んで揺れて、また悩む
あたしはちょうどホームに到着した電車を降りると、すぐに電話をかけた。
RRRRRRRR………
『はい』
「もしもし!!ヒメ!?」
『…………なに』
あたしのテンションの高さを声から悟ったからか、ヒメの声は低い。
「来週の蓮くんの水泳教室、何を着ればいいの!?」
『………水着だろ』
「スクール水着!?」
『…その他の水着持ってんの?』
その他の水着……
持ってないよ!
カナヅチには学校以外に水着なんて必要無いもん。
「どーしよーヒメー!!」
『分かった分かった! だから叫ぶな!』
電話の向こうでヒメがため息をついた。
『……お前今どこにいるの?』