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片想いの行方

第11章 悩んで揺れて、また悩む

一緒にお店を出て、駅に向かって歩き出す。


「はー、食った食った。
今日は晩飯いらねーな。 帰って寝よ」


「……奢ってくれて、ありがとう」


あたしは並んで歩くヒメを見上げて言った。


フワッとした茶髪が、夕陽に反射してキラキラ光ってる。


「今度はお前が出せよ。

つーか、そんな事より水泳教室だ。

泳げるよーになる事と、蓮とさらに仲良くなることが夏休みの課題」



「……ヒメ…そのことなんだけど……」



あたしは自分の影を見ながら続ける。



「……蓮くんを奪うっていうのは……。


やっぱり出来ないよ…


蓮くん、彼女のことすごく大事だって言ってたの。

そんな幸せな蓮くんを悲しませるようなこと、したくないの……」



「……………」

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